来週から後期中間試験に入りますが、ここ数年、いや10年くらい?は試験前に質問にくる学生はいなくなりました。『学び合い』を始めてからもっぱら学生同士が聞き合うのが日常化しているためもあるかと思います。
ところが今年度はぼちぼち聞きにくる学生が出始めています。どうして聞きにくるのかなと思って、問題に答えつつも、それとなく色々質問してみます。「クラスメイトに聞かなかったの?」「同じ部活の子は同学年にいないの?」「(寮生なら)寮で聞ける人、いないの?」とか、授業動画(解説部分のみ)もmicrosoft teamsで配信しているので、動画は見なかったの?とか。
一方、今井むつみ著「学力喪失」を読んでみると、「わからなさ」の奥深さを知り、まあせっかく聞きにきているんだから、ちょっと付き合ってみるかと相手になります。しかしスタンスは、聞きにきた学生にやらせる。
黒板の前に学生を立たせて、私は椅子に座って始めます。
私「どこの問題がわからないの?」
学生A「問題集のここです」
私「じゃ、教科書に似たような問題あるからそれと同じようにやって」
学生A「えーと、(何やら黒板に書いて)こうですか」
私「そうだね。そこから教科書の例題と同じようにやってみたらどうなる?」
学生A「(手が動かず)‥‥‥」
私「じゃ、1回だけやってみるよ(今は消去法のところなので、2行ー1行×3のような手順をしてみせる)」「これと同じように続けてやってごらん」
学生A「(できているのか不安な状態でとりあえず最後まで進めた)こうですか」
私「一応答えが出ているようだけど、どうやってチェックする?」
学生A「(思いつかないようす)‥‥‥」
私「元の連立1次方程式に代入してごらん」
学生A「どの式も成り立っています。」
私「じゃ、解としても良いじゃないの?」「確認のため、もう1個別の問題を今度は全て一人でやってごらん」
てな感じです。学生にもよりますが、基本、彼らに手を動かせてこちらは答えを言わないようにしています。